埼玉・朝霞の耳鼻科 さない耳鼻科クリニック 中耳炎治療、副鼻腔炎治療

さない耳鼻科クリニック新着情報

2007年10月30日

スポーツ医学講習会、中耳炎治療研究会:休日の過ごし方

 28日の日曜日に、浦和で行われた埼玉県医師会主催のスポーツ医学講習会に参加してきました。朝9時半から夜6時過ぎまで、缶詰状態での勉強でしたが、とても有意義な一日となりました。全4回のうちの1回目でした。
 講義は90分が5コマ、60分が1コマで行われ、「運動と年齢」、「女性と運動」、「内分泌・代謝系の運動生理とトレーニング効果」、「運動のためのメディカルチェックー内科系、整形外科系」、「神経・筋の運動生理とトレーニング効果」等、実際にスポーツ選手の訓練に関わっていらっしゃる高名な方々のお話を直に伺うことができました。
 耳鼻科でよく出くわすスポーツ外傷としては、鼻骨骨折や鼓膜穿孔などがありますが、私は以前から、局所のみを診るのではなく、スポーツ選手の日常のトレーニングを理解した上で、耳鼻科としての対応を考えていきたかったので、開業を機にこの分野も一生懸命勉強しようと思っています。何を隠そう、私は熱烈なサッカーファンで(観るだけですが)、時間の許す限り競技場に足を運んでいます。今回は、レッズユースのチームドクターも講師にいらっしゃって、わくわくしながら、ご講演を拝聴しました(でも、私はレッズサポではありません、念のため)。
 10月第3土曜日(休診日)の19日には、福岡で開催された日本耳科学会総会に日帰りで参加し、午後には、中耳炎の最先端の治療法などみっちり勉強してきました。
 毎週木曜日は、地元(埼玉、志木、朝霞、和光市等)の様々な学術講演会が催されており、この地区の先生方の医療に対する熱心さに、一種の感動を覚えています。11月には、成人の難治性中耳炎について、自治医科大学の飯野ゆき子教授のご講演が朝霞地区医師会主催で行われます。今からとても楽しみです。
 そんなこんなで、さない耳鼻科の休診日は、院長がとても忙しい日でもあります。自分の医療レベルをいつも高める努力を惜しまないこと。それを、心に銘記して、過ごしていきたいと思っています。

2007年10月26日

医院の品格

 さない耳鼻科クリニックを朝霞で開業してからちょうど3ヶ月が経過しました。耳鼻科としての医院のスタイルもだんだん固まってきたように思います。そして、今、当院で一番の財産だと誇りに思っているのが、職員達です。
 今週、新潮新書で「国家の品格」(藤原正彦著)を読みました。共感することが多かったのですが、「朝霞で耳鼻科クリニックを経営している院長」としては、特に2つの点について考えさせられました。
 一つは、「国家の品格は、それを構成する一人一人の国民が情緒や道徳や自然を愛する日本古来の感性を持って、自信を持って発言し、行動することで決まる(表現は私の解釈です)。国家の品格とは、まやかしの論理や、自由や、貨幣経済に翻弄されず、独自の誇りを持ってこの国際社会の中で生き抜いて行く力である」。という、この本の論旨。もう一つは、後半の一節、「人間の脳は99%が利害得失で占められているが、しかし、残りの1%を何で埋めるか、これが非常に重要だ。」というくだりです。
 職員を採用する時、私が一番こだわったのが、何の為に耳鼻科で働きたいのか?という動機でした。結果的に見ると、さない耳鼻科クリニック職員採用のキーワードは、「人と接したい」「ありがとうと言われたい」ということでした。開院当初は、医療事務に慣れていない者もいて、患者さんにはいろいろご不快な思いをさせてしまったかもしれません。この場を借りて、お詫び申し上げます。しかし、今、「患者さんにわかりやすいように、この掲示はこうしたらどうでしょうか? ここに手鏡があれば、女性の方は助かるのではないでしょうか? 受付順番は現状だと不満が出るので、こうしたらどうでしょう? 診療報酬の請求事務で、院長のうっかりミスをなくすには、このようにしたらいいんじゃないか? 院長の口調はせっかちで、患者さんはせき立てられているように感じるから、もっと患者さんが落ち着くように話すべきだ。診療の流れを円滑にするためには、器具の配置はこうしたほうがいい。」等々、 彼女達は堂々と意見を述べてくれます。院内の様々な仕掛けは、ほとんどが、さない耳鼻科クリニックの職員達が、自ら率先して作り上げてくれたものです。検査システムや消毒や細かい医療器具の準備は、頭頸部外科の経験が深いベテラン看護士と、本当に真摯に医療に取り組みたい若い看護士、自ら子育てを経験し人情の機微をわかってくれる臨床検査技師が、作り上げてくれました。私は、お金の算段だけ、額にしわを寄せながらしていれば良いのです。(これは失言ですね。私の仕事は、耳鼻科診療です。)本当に有り難いことです。
 職員がある一つの目的を共有して、共通の感性で耳鼻科の診療業務を遂行していくこと、このモチベーションを持続できるようにして行くことが、さない耳鼻科の骨格を作っていくのだし、院長の重要な仕事だと思っています。
 最後に、二つ目。1%をなんで埋めるか? それは、私たちがよって立つところ、出発点。一番大切にしていること。安易に表現するのは危険だけれど、私にとっては、自分の行動が何かの役に立つこと、かな? 朝霞の人たちのため? 社会的な存在意義? 家族のための自分? 人類のため? うーん・・・・・時々、この問いになんと答えるか考えること、でしょうか? 

 ホームページのリニューアルが大幅に遅れてしまい、中耳炎の説明もまだアップしていません。お待ちになっていらっしゃる方には、本当に申し訳ございません。今月中にはやり遂げますので、今しばしの猶予をお願いします。

2007年10月26日

温泉成分、ライブハウス、診療報酬

 今回のタイトルは、全く関連のなさそうな3個の単語ですが、院長が昨日、今日と関わっている主な出来事です。
 
 まず、温泉。以前のブログで触れた、温泉療養で副鼻腔炎の症状が軽快してしまった男性が、その温泉成分表をさない耳鼻科クリニックに持参してくださいました。成分については検討中ですが、その方は源泉でご自分で鼻洗をされたとのことでした。現在はあまり行われませんが、昔の蓄膿症の手術の後は、そういえば、いろいろな薬液で鼻を洗ったものでした。副鼻腔と鼻腔の交通路についてくるかさぶたを除去するのが目的でした。病院と違って開業医は時間のやりくりが自由にできるので、そういった基本的な処置を積極的に行っても良いかな、と考えなおしています。朝霞のOさん本当にありがとうございました。
 
 次のライブハウス。不祥の息子が昨晩、自分たちの演奏を聴きに来い(実はチケットをさばきたかっただけのようでした)というので、のこのこと若者のたまり場に出かけていきました。耳をつんざくような大音量で、音響外傷(強大音を聞いた後の難聴)を心配しましたが、音響設備がよいのか、不思議と心地よく、ドラムの振動音を身体に受けて、しばしのあいだ時を忘れて過ごしました。勿論、私は耳栓をしていましたが。派手な格好をした若者たちでしたが、互いの演奏を批評し合い、熱心に聞入っている姿には、なにか、ちょっと感動いたしました。

 そして、診療報酬請求。医療機関は毎月月末になると、その月に行った診療行為(処置、手術、検査等)に対して、国民健康保険団体連合会と社会保険診療報酬支払い基金に患者さんが窓口で支払った残りの金額を請求します。上記の保険団体は、請求内容に誤りがないかどうかを審査し、後に各医療機関に査定された金額を支払います。査定とは支払い額の減額を意味しますので、請求時には、厳密に病名と診療行為が一致しなければなりませんから、この作業がとても大変なのです。例えば、耳掃除をして差し上げて、耳垢除去という処置料が生じたとします。もし、耳垢という病名をつけ忘れると、さない耳鼻科はそれに対しての報酬を受けられなくなります。処置だけなら、私の時間と労力がつかわれただけですので、「まあしょうがないか・・・」とあきらめもつきますが、点滴や手術など、医薬品や材料を使用した場合は、まるまる損をしてしまうことになります。病名の単純なつけ忘れなら、さない耳鼻科のミスですが、患者さんのためにと思って行った医療行為が認められ場合は、各保険者とのやり取りが続きます。そんなこんなで、これから来月の10日頃までさない耳鼻科の夜なべ仕事が続きます。

 明日は関東に台風が近づくとのこと。さない耳鼻科は大雨のときはいつもガラガラだから、ちょっと明日は寂しいかもしれません。

2007年9月01日

シッコ(アメリカの医療保険制度って?)

 今日から9月、一瞬寒いと感じるような気候の激変に戸惑っています。
さない耳鼻科クリニックが休診だった今週の木曜日、マイケル・ムーア監督の医療制度を扱った映画をみてきました。I am sick of it(もう沢山だ)とsick (病気)をかけた題名とのことです。 公的医療保険がなく、個人で民間の保険会社と契約するシステムのアメリカの医療制度の問題をついた映画でした。当然、保険に加入できないひとが出てくるし、加入していても契約上の盲点をつかれて、医療費の支給をことわられるケースなどを丁寧に取材しています。その対極として、国立病院での医療費がただになっているイギリスや、社会保障制度の充実しているフランスなどの例が紹介されていました。すべてを鵜呑みにするのは危険かもしれませんが、医療費の削減や、介護事業などをつぎつぎと民間に委託していく政府のやり方をみていると、10年後の日本のことが心配になります。国民皆保険というすばらしい制度を、医療費削減という大前提のもとでつぶしてはならないとつよく思いました。
 今でも、自己負担が30%に引き上げられてから、ごく普通の方達が医院を受診されるのは金銭的に大変になったと思います。今日も、扁桃周囲膿瘍という、放っておいたら死に至ることもある怖い疾患にかかってしまわれた若い男性が受診されましたが、抗生剤の点滴と血液検査、初診料、処方箋代だけで支払いが五千円を越えました。窒息してしまうこともあるので、気管の入り口が狭くなっていないかどうかをファイバーで観察したり、膿を出すための処置をしたりと、たかが耳鼻科ですがいろいろな処置も必要になります。入院になれば何万円もの費用がかかります。
 しっかりとした検査結果(事実)のもとに、理論的に正しい治療が行われるのが医療の根幹ですから、今後ますます検査等の重要性が増してくると思われますが、費用のかかる検査を全部無料でやってしまったら、さない耳鼻科の経営は破綻し、私の理想の医療もできなくなります。一方で「事実に基づく治療」が重要視されている昨今では、勘だけに頼る従来の医療では患者さんの方が納得しなかったり、何か問題が起きた時、ある治療方針をたてた根拠を示すように医療者側に要請がくることも多々あります。しかし、検査ひとつで何千円もかかってしまう現状は憂慮すべきで、少なくともこれ以上改悪することだけは避けなければならないと思います。
 江戸幕府の無料診療所で奮闘する医師を描いた山本周五郎の「赤ひげ」が私の座右の銘で、なんども読み返していますが、なかなか思うようにはいきません。
 まとまりがなくなりましたが、日本はいつも10年遅れてアメリカを追随しています。政府が削減しようとしている医療費の問題からは絶対に目を離さず、反対すべきときは断固反対すべしとの思いを強くしました。

2007年8月29日

家族の話

 母の法事に参加してくれた叔父が、息子に対する思いを書いた私のブログを「母子家庭の印象だね」と言ってくれて、夫のことを書くのを忘れていたことを思い出しました。空気みたいな存在なので、手伝ってくれて当たり前と思っていたのでしょう。ごめんなさい。夜間に、救急で私が病院から呼び出しを受けた時、泣いて私にすがる幼い息子を大きな腕で抱きしめて、お父さんと一緒にいようね、と世話をしてくれたのは他ならぬ夫です。ずーっと生化学の研究をしてきた人で、いわゆる処世術には疎いけれど、少年のような心を持った優しい人です。現在、某T市に単身赴任中。
 夫以外にも私を支えてくれた家族がいます。大阪から千葉に転居して息子の面倒を見てくれた舅や姑(二人とも故人となってしまいましたが)、夫が交通事故にあったとき、私の代わりに付き添って介抱してくれた姉、亡くなる前の母や、一人暮らしになってしまった老父をなにくれとなく気遣ってくれた叔父、叔母、いとこたち。自分のことだけに夢中で時間を過ごしてきたけれど、今、私を支えてくれた人たちのことに、想いを馳せています。ありがとう。彼らは、開業直後、さない耳鼻科クリニックの経営を心配してくれて、自ら患者さんとして受診してもくれました。 
 診療をしていて、患者さんの家庭環境とか、仕事とか、その人のバックグラウンドを考慮しながら、治療方針を決めるようになったのは、私が自分の家族のことも考えられるようになった頃と一致しているような気がします。父親のことを思えば、足腰が弱っているお年寄りに毎日通うよう強要することなんてできないし、私自身のことを考えれば、お年寄りのご家族に必ず付き添うように頼むのも申し訳ない。医者になりたての頃は、病気を治すことがすべてに優先され、まるで正義の味方のように振る舞ったこともありましたが。
 朝霞に来て、ようやく1ヶ月半。相変わらず昼の散歩を続けています。おいしいものもたくさん食べさせていただきました。朝霞の方々の暮らしの様子や、様々な御家族の姿を目に焼き付けて、診療に役立てていきたいと思っています。

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