埼玉・朝霞の耳鼻科 さない耳鼻科クリニック 中耳炎治療、副鼻腔炎治療

さない耳鼻科クリニック新着情報

2008年4月17日

後期高齢者医療制度、特定健診、フィブリン糊

 このところ、医療に関する様々な話題が新聞やテレビを賑わせています。が、院長にとっては腹立たしい事ばかりです。厚生労働省や舛添大臣のいい加減さ、パフォーマンスを優先させる態度に、末端で身を粉にして働いている医療従事者の日々の努力を踏みにじられる思いです。
 まず、後期高齢者の問題。4月1日に新しい保険証が届いていない方が多数おられる事を受けて、舛添大臣は、「保険証がなくても年齢が証明されれば古い保険証で受診してよい。そのように医療機関に通達する。」と、テレビの中で断言していましたが、埼玉県朝霞市の保険医療機関、さない耳鼻科クリニック(院長は日本医師会会員、朝霞地区医師会所属)には何の連絡もありませんでした。お年寄りの中にも医療費が3割負担のかたもいらっしゃる訳で、仮に、保険証がなくて年齢だけをみて1割だけご負担いただいて、その方が1度の来院で軽快されてしまった場合、残りの2割はどこに請求すれば良いのでしょう? 「新しい保険証がなくても、医療機関を受診してよい」という公文書の記載は、少なくとも院長の眼には触れていません。また、保険証が届くまで、のどが痛いのを我慢されて、病状を悪化させてしまった方もいらっしゃいました。
 次に特定健診。報道では、「4月から開始された」とありますが、少なくとも朝霞市ではまだ何も始まっていませんし、料金がようやく決まったという段階で、実施時期は7月から11月が予定されているだけです。さない耳鼻科クリニックでも実施できるよう申請していますが、データの電子化処理をどこに委託するか医師会全体で交渉中という事で、具体的に何も始まっていません。こういった細部をきちんとつめていない段階で、華々しく報道させてしまう事に、末端で働くものとしては苦々しい思いです。
 最後に、非加熱のフィブリン糊とC型肝炎ウイルス感染の問題です。現在、日本国内で行われている多くの耳の手術では、加熱され、ウイルス粒子をフィルターで濾過した生体接着製剤(別名フィブリン糊、製品名はボルヒール等)が使われています。しかし、薬害肝炎ウイルス感染で問題になっている製品(旧ミドリ十字製、1988までに製造されたもの)とは全く別物で、製造された年代も異なります。それなのに、厚生労働省は、問題になっている製品の説明を詳しく行わず、「フィブリン糊」という名称だけを用い、対象となる製品が納入された医療機関名を各新聞の数ページを使って大々的に発表しました。製品の詳細は、心ある新聞の紙面に小文字で記載されていました。おそらく、患者さんたちは、しないでよい心配をし、パニック状態に陥っていらっしゃる方もあるかもしれません。現在対象となっている製品名は下記URLに記載されています。
  http://www.pmda.go.jp/kenkouhigai/c-kanen.html
おそらく日本の医薬行政のトップにいる舛添大臣は、フィブリン糊と呼ばれて現在使われている、より安全な製品がある事を知らないのではないでしょうか?
 一つのいい加減な発言や、発表が引き起こすだろう波紋を熟慮するより、自己弁護的なパフォーマンスを優先させる舛添大臣や、厚生労働省、ひいては今の政府に強く抗議します。「国の機関の発言」の重さを彼らは理解しているのでしょうか?

今日は、佐内院長怒りの発言です。

2007年9月05日

顔面神経麻痺、扁桃周囲膿瘍、ストレス性難聴、蓄膿症

 今週はうれしいことが続きました。
 まず、さない耳鼻科クリニック開院初日に受診された顔面神経麻痺(顔の筋肉が動かなくなり、顔の左右が非対称にみえる疾患)の若い女性の患者さんが、すっかり良くなって顔を見せにきてくださったこと。初期治療をさない耳鼻科クリニックで行ってから、他の高度医療機関に紹介させていただいた方です。医療者側にとって寂しいことは、普通、患者さんは具合が良くなると医院にいらっしゃらないこと。便りのないのは良い便り、といつも思って暮らしていますが、やっぱり本人の顔をみると安心します。すっかりチャーミングな笑顔が戻って、職員一同で大喜びしました!
 同様のエピソードが今週は続きました。前回のブログで触れた扁桃周囲膿瘍の男性も、きちんと再診してくれましたし(良くなると来てくれない人が本当に多いのです、この病気は・・・。症状が激烈なので、良くなるときもまた急に楽になるので、治ったと思ってしまうのでしょうか?)、お仕事のご都合で2週間来院できなかったストレス性の難聴の女性も、聴力が改善していましたが、報告にいらしてくださいました。温泉治療で蓄膿症の症状がとれた!とわざわざ報告しにきてくださった年配のかたもいらっしゃいました(???)。温泉の何が効いたのか、詳しく問診しなくてはなりませんね。
 とにもかくにも、朝霞で、さない耳鼻科クリニックが開院して、もうじき2ヶ月となります。治療の成果がぼちぼちと出てきて、手応えを感じ始めています。
下図はストレス性難聴の方の記録です。上の図が治療後の聴力、下の図が治療前の聴力です。(上記の患者さんとは別の方です)

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2007年8月29日

外耳炎

 クリニックを訪れてくださる患者さんの訴えで、今一番多いのは、「耳のかゆさ」です。湿疹性外耳道炎と呼ばれるもので、たいていは耳のそうじのやり過ぎですが、一度罹患してしまうとなかなか厄介なしろものです。デリケートな外耳道の皮膚を必要以上にこすることによって、正常な皮膚の代謝回転が阻害されたもので、虫に刺された皮膚を、掻きすぎるとじゅくじゅくしてくるのと同じです。「お肌が生まれ変わるのは4−8週間」というのは化粧品の宣伝ですが、それがそのまま治療にも当てはまります。触らないのが一番の治療ですが、かゆくてたまらないのに、そんなに長い期間耳をさわらないでいるなんてとてもできないので、ますますこじらせてしまうことになります。適当に耳の掃除に耳鼻科に通っていただきながら、場合によってはかゆみ止めの内服や、化膿しているときには抗生剤など使いながら、治療していきます。もし、耳がかゆくなってしまったら、大事になる前に、早めに「耳掃除をしてくれ」と耳鼻科を訪ねてみてください。耳あかだけでも保険診療ができますから。
 下図左は外耳炎の初診時の鼓膜と外耳道の写真、右は治療後1週間の写真です。

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2007年8月11日

朝霞の中耳炎

 今、ホームページ内の「耳鼻科について」の中耳炎をどのようにまとめようか頭を悩ましていますが、そちらにアップする前に、ここでもちょっと触れておきたいと思います。
 私が朝霞に来てから、「中耳炎」でさない耳鼻科クリニックを受診されたこどもたちの咽頭や鼻汁を検査したところ、全国的に小児の中耳炎の2大起炎菌といわれている、インフルエンザ菌(タミフルで問題になったウイルスとは全く別物です)と肺炎球菌が、やはり、高頻度で見つかりました。この二つの菌は、抗生剤が効かなくなる薬剤耐性を獲得している場合も多く、耳鼻科としては治療に難渋することが多いのです。(ちなみに、中耳炎の耳漏から検出される菌は、外耳道にいるブドウ球菌なども混じってくるので、かならずしもそのときの中耳炎の原因とはいえないことがわかってきました。)
 私は、耳や鼻はそれ独自の機能があると同時に、外界から体内に入ってくる細菌やウイルスの侵入を防ぐ、ふるい、のようなものだと考えています。たとえば、鼻水がジュルジュル出るのは、ウイルスやアレルゲンで鼻粘膜が刺激されているからなのだけれど、大量の鼻水で、それらは洗い流されます。だから、鼻水が出ているからといって、強力な抗ヒスタミン剤でガンガンに鼻水を止めてしまうと、特に抵抗力が弱い小児の場合は、感染が下気道に及んで気管支炎や肺炎になりやすくなる、とも考えられます。
 同様に、中耳炎で厄介な菌がみつかったからといって、それを徹底的にやっつけるために、より強力な抗生剤を使う、ことには賛成できません。中耳炎を放っておくと、耳の後ろの乳突蜂巣や頭蓋内にまで感染が波及して、命に関わるようなこともあります。が、その前に、鼓膜切開などで炎症が中耳より奥に波及しないよう食い止めることができるのです。鼓膜に穴があくと、耳漏(膿:白血球に食べられた、細菌の死骸)がたくさん出てきますが、耳漏が出ている限りはたいていはおおごとにはなりません。鼓膜切開については、項をあらためて、また、いろいろと説明をしなければなりませんね。初めての中耳炎で、いきなり「鼓膜切開しましょう」と医師にいわれて、パニクってしまったかたもいらっしゃるのではないでしょうか?

 ともかく、「みみ、はな、のど」はからだの入り口なので、いつも「全身」への影響を考えながら、治療方針をたてなければと私は考えています。耳鼻咽喉科は「耳鼻咽喉」だけをみるのではなく、「耳鼻咽喉」から、「病気」を考える科だととらえていきたいと思います。

なんだかまとまりがありませんが、明日からさない耳鼻科クリニックはお盆休みにはいります。再開は17日金曜日です。私は久しぶりに大好きなサッカーを観戦する予定です。