2008年、明けましておめでとうございます。

 皆様、どのようなお正月を過ごされましたか? 院長は、夫と二人で四万温泉に素泊まりしてきました。1泊だけですが、温泉だけの素朴な宿で、ふとんは自分たちで上げ下ろしする代わり、仲居さんに起こされる事もなく、20年ぶりぐらいにゆっくりしてきました。安かったし・・・。
 さて、年初の抱負を書こうと気づいてみると、11月、12月と2ヶ月もブログを更新していませんでした。時間の流れのはやさには、恐ろしいものがありますね。
 今日は、朝霞のこどもたちの鼻に巣食っている細菌について、少し触れます。
開院以来、鼻汁を主訴(一番気になっている症状)としてさない耳鼻科クリニックを訪れてくれたこどもたちの鼻汁にどのような細菌がいるのかを調べてきました。中耳炎を起こしたり、鼻汁がなかなか良くならずに、気管支炎を併発したりして抗生剤を使わざるを得ない時の参考にするためでした。驚いた事には、熱も出していないし、中耳炎もない元気なこどもたちの半数以上の鼻咽腔に、このブログの初期に触れた「耐性菌」が同時に複数検出されたのです。今、中央の学会では、このような耐性菌による中耳炎にどのような抗生剤を用いるかが盛んに議論されていますが、実際に開業してみて、学会での議論に少し違和感をおぼえています。ごく普通に鼻の中にすんでいる菌たちの中のどれが悪さをしているのか、限定することは非常にむずかしい。ホームページの改装が遅れているのも、「私なりの記述」が、時間が過ぎるとともにどんどん変化してしまうのも一因です。
 この冬、私は、基本的に、鼻汁が多いだけだと抗生剤を使わないようにしました。気管支炎を併発したり、中耳炎を起こしている子には、2種類までの抗生剤を使いますが、それでもだめなら、鼓膜切開を積極的に行っています。保護者の方たちには不安が多い処置かもしれませんが、鼓膜切開をしておいて、排膿の経路を作っておくと、中耳炎による高熱に悩む事はなく、抗生剤の服用も休止することができるからです。嘔吐・下痢症も流行していますので、たくさんのこどもたちの鼓膜切開をしました。でも、冬が終わればたいていは良くなりますから、もう少し頑張りましょうね。特に、生後8ヶ月−2歳までのお子さんは、この冬を越せば、来年はあれっというくらい楽になりますから。
 
 追伸:院長は、1/15(火)の午前中、東京女子医科大学で「喉頭疾患」の講義をしてきます。1年前から(開業前)決まっていた日程なので、皆さんには本当に申し訳ありませんが、ご了承ください。講義では、喉頭の解剖や機能の他、声帯ポリープ、喉頭がん、急性の喉頭蓋炎など、実際この朝霞で遭遇した様々な病気の話もしてくるつもりです。私の朝霞での経験が、将来の医師たちを育てる力に少しでもなってくれればとてもうれしいと思っています。