四谷の桜

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昨日、四谷の土手で桜をみてきました。上智大学脇にある桜並木です。院長は、青春時代から何かことあるごとにこの桜に語りかけてきました。きっと、春には、自分の人生に大きな転機が訪れる事が多いからでしょう。
 初めての大学受験に失敗して、暗い思いで歩いたのもこの土手。翌年、希望の大学に入ったけれど、その先何をやってよいのかわからなくなって留年し、絶望の淵をさまよったときも、毎日ここにきては自問自答を繰り返しました。初めてのボーイフレンド(?)と歩いたのもこの土手。アフリカで餓えて死んで行く子供たちを実際にみて、医学部受験を決意したのもここ。受け持ちの患者さんが亡くなって、どこに怒りを向けてよいかわからなくなったときもここに来ました。息子が生まれたとき、子育てに迷った時、母が亡くなった時。開業を決意したのも、2年前の春、ここでした。
 朝霞で開業してもうじき9ヶ月。今、さない耳鼻科クリニックはようやく医院としては軌道に乗ってきました。花粉の時期には、1日に100人近くの方々が来院され、なんとかそれぞれの方達の医療に対するご希望をつかもうと努力してきたつもりです。が、来院患者数が増えれば、待ち時間は長くなり、お一人お一人に割ける時間も限られてきます。耳鼻科として、どんなスタンスで診療を続けて行くのか、ここで、もういちど見直す必要があると思っています。
 花粉も下火になり、風邪の子供たちも良くなってきて来院人数が減り、今日は久しぶりにゆったりとした診察ができました。2年前に開業を決意したときの初心を思い出して、どんな小さな事もおざなりにしない、丁寧な診療を心がけようと改めて自分自身に言い聞かせています。

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