外耳炎

 クリニックを訪れてくださる患者さんの訴えで、今一番多いのは、「耳のかゆさ」です。湿疹性外耳道炎と呼ばれるもので、たいていは耳のそうじのやり過ぎですが、一度罹患してしまうとなかなか厄介なしろものです。デリケートな外耳道の皮膚を必要以上にこすることによって、正常な皮膚の代謝回転が阻害されたもので、虫に刺された皮膚を、掻きすぎるとじゅくじゅくしてくるのと同じです。「お肌が生まれ変わるのは4−8週間」というのは化粧品の宣伝ですが、それがそのまま治療にも当てはまります。触らないのが一番の治療ですが、かゆくてたまらないのに、そんなに長い期間耳をさわらないでいるなんてとてもできないので、ますますこじらせてしまうことになります。適当に耳の掃除に耳鼻科に通っていただきながら、場合によってはかゆみ止めの内服や、化膿しているときには抗生剤など使いながら、治療していきます。もし、耳がかゆくなってしまったら、大事になる前に、早めに「耳掃除をしてくれ」と耳鼻科を訪ねてみてください。耳あかだけでも保険診療ができますから。
 下図左は外耳炎の初診時の鼓膜と外耳道の写真、右は治療後1週間の写真です。

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